退職代行は弁護士と民間どっち?
違い・料金相場・失敗しない選び方
退職代行の違いはひとことで言えば「会社と交渉できるかどうか」です。退職の意思を伝えてもらうだけなら民間・労働組合で足ります。未払い賃金の請求、ハラスメントへの対応、損害賠償の話——法律ごとが1つでも絡むなら弁護士一択。高い方が偉いのではなく、状況で決めるのが正解です。
退職代行は3種類ある
退職代行サービスは、運営元によって次の3種類に分かれます。名前や広告の雰囲気ではなく、運営元がどれかがすべての出発点です。
- 民間業者:株式会社などが運営。退職の意思を「伝える」ことができる
- 労働組合(ユニオン):団体交渉権を持ち、有給消化や退職日の「交渉」ができる
- 弁護士:交渉に加えて、未払い賃金の「請求」や訴訟などの「法的対応」までできる
できることの違い(比較表)
| できること | 民間業者 | 労働組合 | 弁護士 |
|---|---|---|---|
| 退職意思の伝達 | ○ | ○ | ○ |
| 有給消化・退職日の交渉 | × | ○ | ○ |
| 未払い賃金・退職金の請求 | × | × | ○ |
| 慰謝料・損害賠償への対応 | × | × | ○ |
| 訴訟対応 | × | × | ○ |
重要なのは、民間業者が会社と「交渉」をすると弁護士法違反(非弁行為)になるという点です。民間業者にできるのは意思の伝達まで。会社側が「有給は認めない」「退職日は変えろ」と返してきた場合、民間業者はそこで打つ手がなくなります。労働組合は団体交渉権があるため交渉まで、弁護士はその先の請求・法的対応まで進めます。
料金相場
| 運営元 | 料金相場(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 民間業者 | 2〜3万円 | 伝達のみ |
| 労働組合 | 2.5〜3万円 | 組合費が別途かかる場合あり |
| 弁護士 | 5〜10万円 | 未払い請求などは別途成功報酬(回収額の2〜3割程度)が一般的 |
弁護士は確かに高めですが、未払い残業代や退職金の回収まで含めると「支払った費用より戻ってきた金額の方が大きい」ケースも珍しくありません。逆に、請求するものが何もないなら弁護士費用は過剰投資になりえます。だからこそ状況の整理が先です。
弁護士一択になる4つのケース
次のどれかに当てはまるなら、最初から弁護士に依頼するのが結果的に早くて安全です。
- 未払いがある——残業代・給与・退職金が払われていない、または払われない気配がある。請求は弁護士にしかできません
- ハラスメントを受けている——パワハラ・セクハラの慰謝料請求まで視野に入れるなら、証拠の扱いから弁護士案件です
- 「損害賠償を請求するぞ」と言われている(言われそう)——「辞めたら訴える」系の脅しに、伝達しかできない民間業者では対抗できません
- 揉めることがほぼ確実——役員・重要ポジション、競業避止や秘密保持の誓約が絡む、家族経営で感情的なもつれがある、など
ポイントは、揉めてから弁護士に切り替えると二度手間・二重費用になること。上のどれかに心当たりがあるなら、最初から法的対応まで進める窓口を選んでおく方が合理的です。
民間・労働組合で十分なケース
一方で、次のような状況なら民間・労働組合で目的は果たせます。
- 会社に請求したいものは特にない(給料はきちんと払われている)
- ただ、自分から言い出せない・引き止めが面倒なだけ
- 有給消化などの調整をしてほしいなら、交渉権のある労働組合系を選ぶ
繰り返しますが、高いサービスほど偉いわけではありません。請求も紛争もないのに弁護士費用をかける必要はない——これも大事な判断です。
そもそも代行が要らないケース
正直な話もしておきます。上司と普通に会話ができる職場で、脅しも未払いもないなら、自分で伝えるのが最短で、いちばん円満で、無料です。切り出す言葉さえ用意できれば、退職は本来それで成立します。言い方の型は退職の切り出し方(例文集)にまとめてあります。まず例文を眺めてみて、「これなら言えそう」と思えたなら代行は不要です。
退職代行は、「言えない状況に追い込まれている人」のための道具です。出社を考えるだけで体調が悪くなる、引き止めが常軌を逸している、話し合いが成立しない——そういう状況で無理に自分で戦う必要はありません。
選ぶときのチェックポイント
依頼先を決める前に、最低限ここを確認してください。
- 運営元が明記されているか——弁護士なら弁護士(法人)名と所属、労組なら組合名。ぼかしている業者は避ける
- 料金が総額表示か——「追加費用なし」の明記。オプションで積み上がる業者に注意
- 民間業者なのに「会社と交渉します」と謳っていないか——非弁行為の可能性がある業者は、交渉自体が無効になるリスクを抱えます
- 連絡手段と対応時間——LINE等で相談でき、依頼後の流れが明確か
弁護士運営の退職代行を検討するなら、弁護士法人みやびは交渉から未払い賃金・退職金の請求まで一気通貫で対応しています。まずは無料相談で「自分のケースは弁護士案件か」を確認するのがおすすめです。
弁護士法人みやびの退職代行を見るPR・弁護士法人みやびの退職代行(外部サイト)に移動します
辞めたあとのお金も先に確認しておく
代行を使うかどうかに関わらず、辞めたあとの生活費の計算は必要です。失業手当の金額と受給開始時期、退職日の設定による社会保険の違いは、先に数字で押さえておきましょう。
よくある質問
退職代行を使うと転職で不利になる?
退職代行を使った事実が転職先に伝わる仕組みはありません。利用自体が経歴に残ることもありません。面接では退職理由を自分の言葉で説明できるよう準備しておけば十分です。
会社から本人に直接連絡が来る?
代行から「本人への直接連絡は控えてほしい」と伝えるのが一般的で、実務上はほとんどの会社が応じます。着信があっても出ずに、代行の担当へ伝える運用にすれば問題ありません。
即日で辞められる?
「依頼した日から出社しない」形は多くの場合可能です。正確には、法律上は退職の申入れから2週間で契約終了となるため、その期間を有給消化や欠勤で埋めて、出社せずに退職日を迎える設計にします。有給の交渉が必要なら労働組合か弁護士を選びましょう。