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ボーナスをもらって辞めるのはアリ?
損しない退職タイミングの決め方

先に結論

ボーナスをもらってから辞めるのは、法的にも道義的にも問題のない正当な権利です。守るべき順番はひとつだけ——「支給日に在籍する → 振込を確認する → それから退職を申し出る」。この順番を守れば、査定減額や不支給のリスクをほぼ避けられます。

「もらって辞める」は非常識ではない

「ボーナスをもらってすぐ辞めるのは気が引ける」と感じる方は多いのですが、賞与はそれまで(査定期間)の働きに対する後払いの性格を持っています。査定期間をきちんと働いた分の対価を受け取ってから退職を申し出ることに、後ろめたさを感じる必要はありません。

実際、転職の実務では「賞与支給後の退職申し出」はごく一般的なタイミングです。会社側もそれを見越して動いています。堂々と、ただし順番だけ丁寧に進めましょう。

まず就業規則の「支給日在籍要件」を確認

最初にやることは退職の相談ではなく、就業規則(賃金規程・賞与規程)の確認です。多くの会社には次のような規定があります。

「賞与は、支給日に在籍する従業員に対して支給する」

これが支給日在籍要件です。この規定がある会社では、支給日の前日までに退職してしまうと、査定期間をフルに働いていても1円も支給されません。この種の規定は判例上も有効とされています。

確認するポイントは2つです。

就業規則は社内ポータルや総務で閲覧できます。退職の意思を悟られたくない段階なら、まず自分で静かに確認しておきましょう。

支給前に「辞めます」と言うとどうなる?

法律上、退職の意思を伝えたことを理由に賞与をゼロにすることは簡単ではありません。ただし賞与には「これまでの成果への対価」に加えて「今後への期待」という名目が含まれることが多く、支給前に退職の意思が伝わると、査定や支給率の調整という形で減額されるリスクが現実にあります。

「もらってから言う」か「言ってからもらう」かで、もらえる額が変わりうる——だからこそ、振込を口座で確認してから申し出るのが確実な順番です。なお、退職の申し出からボーナス支給日まで在籍していれば大丈夫だろうと見切り発車すると、退職日の調整を会社側に主導されて支給日前の退職日を提示される、といったこじれ方もありえます。急がば回れです。

夏・冬それぞれの逆算スケジュール

多くの会社の賞与支給は夏が6月末〜7月上旬、冬が12月上旬〜中旬です(会社により異なります)。それぞれの「もらってから円満に辞める」モデルケースを見てみましょう。

夏のボーナス(7月上旬支給)の場合

7月上旬:支給・振込を確認金額まで確定してから動きます
7月中旬:退職を申し出る就業規則の「1ヶ月前まで」等の期限を守った日程で
7月下旬〜8月:引き継ぎ後任への引き継ぎ資料と実務の引き渡し
8月中旬〜:有給消化最終出社日のあとにまとめて消化
8月末 or 9月末:退職日(月末)社会保険の切れ目を作らない月末設定

冬のボーナス(12月上旬支給)の場合

12月中旬:支給・振込を確認
12月中〜下旬:退職を申し出る年末年始を挟むため、締め日・面談日程は早めに押さえる
1月:引き継ぎ+有給消化
1月末 or 2月末:退職日(月末)年度末の繁忙に巻き込まれる前に区切るなら1月末

転職先が決まっている場合は、入社日(多くは月初)から逆算してこのスケジュールを当てはめます。「支給確認 → 申し出 → 引き継ぎ → 有給消化 → 月末退職 → 翌月初入社」が、金銭面のロスが最も少ない黄金パターンです。

ボーナス支給月・引き継ぎ期間・有給残日数を入れると、あなた専用の逆算スケジュールを組み立てられます。

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退職日は月末が基本(社会保険の話)

退職日を決めるとき、もうひとつ効くのが社会保険の資格喪失日です。社会保険の資格は退職日の「翌日」に失われます。月の途中で辞めると、その月は会社の社会保険から外れ、国民年金・国民健康保険を自分で全額払うケースが出てきます。

月末日まで在籍していれば、退職月の保険料も会社と折半のまま。特に理由がなければ退職日は月末に設定するのが無難です(翌月1日に転職先へ入社するなら空白もできません)。

有給消化と両立させる組み方

有給休暇は退職日までに使い切るのが原則です(会社に買い取り義務はありません)。ポイントは「最終出社日」と「退職日」を分けて設計すること。

例:有給が20日残っている場合

8月22日(金)を最終出社日にして、8月25日〜9月19日を有給消化にあて、9月30日を退職日にする——という形なら、引き継ぎも有給もボーナスも取りこぼしません(営業日ベースの日数は年により変わります)。

引き継ぎが長引くと有給を使い切れないまま退職日を迎えがちです。申し出の時点で「有給消化を含めたスケジュール」を紙で示して合意しておくと、あとから削られにくくなります。切り出し方の実際の言い回しは、退職の切り出し方(例文集)にまとめています。

よくある質問

もらった直後に辞めたら返還を求められる?

すでに支給されたボーナスに原則返還義務はありません。就業規則に「退職者は返還」といった規定があっても、賃金全額払いの原則に反して無効と判断されることが多いとされています。実際に返還を迫られた場合は、労働基準監督署や弁護士に相談してください。

ボーナスからも税金・社会保険料は引かれる?

引かれます。所得税(源泉徴収)と健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料が控除され、手取りは額面のおよそ75〜85%が目安です。「ボーナス100万円」がそのまま口座に入るわけではない点は資金計画に織り込んでおきましょう。

転職先の初回ボーナスはどうなる?

多くの会社は査定期間の在籍月数に応じて支給するため、入社後最初のボーナスは満額出ないのが普通です(寸志程度〜ゼロも)。転職の年収比較は「月収×12+賞与」の年間トータルで、初年度は賞与が減る前提で見積もるのが安全です。